■４番人気・１着■　重賞ウイナー・セキトバイーストや今年のクラシックを賑わせたジョバンニを姉兄に持つ素質馬が、デビュー２戦目で圧倒的な走りを披露し今後に期待を抱かせる初勝利を飾った。デビュー戦は小倉1800ｍ戦でスローペースのなか後方から上がり２位をマークしながら好内容の３着。今回は４カ月の休養を経ての２戦目も帰厩して日が浅く、馬なりで好時計をマークしていたが相手も強力で４番人気に留まっていた。デビュー戦と異なり好スタートを切って先行集団を形勢。ペースが上がらずにやや行きたがる面を見せたが、馬群の中で十分な折り合いを保っていた。終始外から被され気味でも怯まずに追走し、３コーナー過ぎで外の馬が下がった隙に外目３番手に上昇。直線入口で鞍上が軽く促すとスッと反応して先頭に並びかけ、直線に向いて追い出されると一気に末脚を伸ばし残り200ｍで早くも先頭に立ち後続を引き離しにかかった。残り100ｍは独走状態でグングンと脚を伸ばし２着以下を６馬身離す完勝であった。残り1000ｍから12.6-12.2-11.9秒と加速しながら直線に向き、11.5-11.6秒のキレで後続を寄せ付けなかった内容は優秀である。全体時計は目立たないものの先行集団から唯一の上り34秒台をマークし、力が１枚上であった印象の初勝利であった。２戦ともに小回りコースで好走したが、レース振りから小回り巧者の雰囲気はなく、クラスが上がっての末脚比べでも十分通用すると感じさせる。相手強化の次走でも好勝負に期待したい馬である。

■７番人気・７着■　出遅れ気味のスタートから頭を上げて大きく置かれる不利が響き人気以上の結果を残せなかったが、リカバリーからの走りにはポテンシャルの高さが感じられ高評価を与えたい馬である。追い切りでは強い負荷が不足気味で全体時計は遅いながらも、外目を回って馬なりでラスト２Ｆ23秒台をマークするなどキレのある動きを披露。７番人気ながら厩舎サイドでは「いいスピードを持っている。二の脚が速く好勝負」と色気を十分に持っての初陣であった。しかしその期待もスタートの不利が致命傷となり大敗を予感させた。やや出遅れ気味のスタートであったが、ゲートを出た後に頭を上げて立ち上がり鞍上が振り落とされそうな程の大きなロスがあった。ただ１頭馬群から７馬身程置かれてしまい鞍上が促しながら馬群に取り付くも無駄脚を多く使う序盤戦となる。勢いが付いたことでやや折り合いを欠きながら馬群の最後方で落ち着かせ、４コーナー手前から大外に出して上昇を開始する。直線に向き追い出されると前に壁があったこともあって内に刺さってしまい、鞍上は馬群に突っ込んで狭い所を割ろうとしていた。十分な反応で先団との差を縮めてはいたが、ラスト11.7-11.5秒と加速しながら先行勢が上位を独占し、0.7秒差の７着まで追い上げるのが精一杯となった。しかしスタートでの大きなロスと直線での進路変更や先行有利の流れを考えると、負けて強しを印象付ける走りであったのは確かだ。７着という着順で次走も上位人気には推されないだろうが、レース振りから好勝負は必至と評価できる。スタートに不安を残すが未勝利を卒業できるポテンシャルは十分で、次走以降大きく狙ってみたい１頭である。

■２番人気・１着同着■　デビュー以来好走するもやや決め手に欠ける印象で勝ち味に遅かった素質馬が、近走の充実ぶりを物語る豪快な差し脚で３連勝を飾った。デビューからゴールドシップ産駒らしい競馬で好走するも未勝利卒業までに９戦を要し、８戦して２・３着が５回と決め手の差で初勝利を手に出来なかった印象があった。しかし３走前のデビュー９戦目でそれまでの走りから向かないと思われた新潟コースで、素晴らしいキレを披露し後方一気の差し切りで初勝利を挙げると、続く新潟外回りコースで次位を圧倒する上り33.3秒で５馬身差を付けて２連勝を飾った。後方一気の戦法で頭角を現したが今回は格上げ戦で初コースとなる東京の舞台は真価の問われる一戦となっていた。最内枠からスタートで後手を踏み序盤は最後方付近のインを追走。ある程度ペースは流れ縦長となった隊列も最内で揉まれる競馬となった。３コーナー過ぎに馬群の切れ目から外に持ち出し、徐々にエンジンを吹かしながら上昇を開始して直線を向かえた。一気にピッチが上がり11.2-11.1秒と先行勢が先陣争いを繰り広げ先行決着を予感させたが、ラスト11.4秒と僅かに落ちたラップを大外から猛追し、ゴール前は先に抜け出した１着同着馬と鼻ヅラを並べてゴールした。上り最速の33.1秒をマークし後方から唯一上位に食い込んだ末脚は評価できる内容である。小回りコースで持続力を活かすレースから、一転して長い直線で決め手を活かす走りで３連勝を飾っている。レーススタイルが確立されたことで成績も格段に良くなり、３勝クラスに上がっても崩れることはないはずだ。